パールシーマーマレード

初代ハナユキ 物語り

2025.03.28

北村画伯のアトリエで製作の邪魔をする父、めっちゃ怒られたらしいです。

「チミが作ればよい。わたしが食べてあげよう」

 福岡県生まれ飯塚市柏の森育ち。趣味:射撃、自動車、カメラ、他にもわるーい事たくさん。特に射撃が得意で晩年は地方の射撃場の理事みたいなことやってました。
 祖父が麻生家と共に炭鉱を経営していたのでろくでなしの若専務ですね(後に倒産)。祖父が北村巌画伯(一水会)にアトリエを貸していたので父は画伯と仲良くなりました。やがて画伯が上京した後は東京で時々会っていましたがその頃に軽井沢にカフェを持つ英国人を紹介されたのです。
 お客の大半はアメリカ人で英国人が一割くらいの夜中まで騒々しい店です。マスターは普段はまったくお酒も飲まず立ち振る舞いは子供から見ても凛々しくて洗練されている人に見えました。立派な「しんし」ですね。
ところが本当は酒癖が悪くて奥さんに止められていただけで休日は友人達とは好きなだけ飲んでいました。立派な「しんし」ではなかったです。
 「スコットランドマーマレード」という物を作り始めたのはマスターですが名前も材料もスコットランドとは何の関係もありません。人に自慢するためにそう呼んだだけみたいです(本人談)。
もしかしてなんかすごい由緒ある物なのでは?と子供心に思っていたのでちょっとだけがっかりでした。
 でもその理由は奥様がせっかく作ったのに売れ残るスコーンとソフトクリームを何とかしたかったからです(本人美談)
試行錯誤の甲斐あって出来上がったのは、「こりゃマーマレードかいな?」ってくらいマーマレードでした。
意味不明ですが言葉のまんま濃厚で美味しいです。ミカンと砂糖の魔法ですね他には何も使ってません。ソフトクリームにトッピングしたら売り上げが十倍になった!と夫妻で大喜びしたそうです。
 でも「夏みかん」以外ではこの味は出ませんでした。まあギリで早取り甘夏くらいでしょうか。他の柑橘類では果肉の酸度と糖度のバランスが不自然で調整に添加物が必要になるからです。店で使う程度なら仕入れも製造も問題ありませんが、売るほど作るとなると無駄に手間だけかかる、とんだク〇レシピですね。適当に焼いた肉でも出した方がよっぽど儲かるでしょう。
 それが理由なのか結果として父は「髭マスター猟銃乱射未遂事件」のおかげでレシピを手に入れたのです。誰も量産など出来るとは思わず「真空冷凍」とか「液体冷凍」は白雪姫の小人のたわごとにもならない時代でした。
まあ目の前で不思議そうにレシピを眺めてる子供が何十年か後に企てるのですが、、、。
レシピ最後の工程に「Finally, thank the marmalade fairy(最後に、妖精に感謝しなさい)」と、書いてありました。
ありがとう「髭天使」と「ろくでなし」アーメン。

 「髭マスター猟銃乱射未遂事件」

髭マスターが振り回したおそろしい猟銃

「ウィンチェスター Model 191」と思われる。

(Wikipedia日本語版より)

無事に危機から脱出できた「ハナユキさん」ご一家。

「ハナユキさん」が逃走に使用したとされる乗用車 「日野ルノー」

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